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2018. 12. 28  
〈要約〉

金融市場でのパニック状態における金融資産の価値算定方法が不足している。

一定期間のファンダメンタルデータを用いて統計的に株価を分析することを複合分析と呼んだ。

自分の損失を省みない利他的な経済的動機をアニマルスピリットに対してヒューマニティと名付けた。



〈プロローグ〉

金融市場には、恐怖と不安に包まれる時がある。

不確実性が増して、株価のファンダメンタル分析では予想できない瞬間がある。

テクニカル分析では、売りのサインだから、売ってしまったほうがいい…


〈テクニカル分析とファンダメンタル分析を融合させた複合分析〉

株価は遅かれ、早かれ、予想利益に収束するものである。

ただ未来の収益は不確定なため、市場参加者は様々な指標を使って、株価予想を行い、現在の株価が形成される。

テクニカル分析は、株価の推移や売買の出来高などを統計分析して、株価の売買を行うものである。

ファンダメンタル分析とは、企業業績や資産が、株価にどれほど反映されているかを分析するものである。


それぞれが、長所と短所があるであろう。

将来の業績予想が不透明になり、ファンダメンタル分析ができない時にでも、テクニカル分析では、売られすぎ、買われすぎといったシグナルが出現して、売買を行うことが可能となる。

ファンダメンタル分析では、1株あたりの簿価や利益との現状の株価の差異で割安、割高を判断して株を売買する。

ファンダメンタル分析では、統計学的な視点で、株価推移を見ることは少ない。

しかし、株価が予想利益に最終的に収束すると仮定すると、統計的視点は必要不可欠である。

たとえば、為替が1円円高に動くと10%利益が増える会社があるとする。株価が予想利益に最終的に収束するので、 1円円高になれば、株価は10%上昇する余地がある。
ただ株価は、織り込み済みといった言葉があるように、すでに株価が5%上がっていれば、残りは5%の上昇余地しかない。
あと、何%株価の上昇余地があるのかを、 「ファンダメンタルのデータを用いて統計的に試算する」のが、複合分析である。

長期間には、利益を伸ばしてきた会社が、短期的に50%の減益を記録したときに、株価は50%下がることが適切であろうか?
適切な株価水準があるのではないか。

複合分析には、株価の適正範囲を統計的に導き出すことができる可能性がある。

シラーPERと知られる10年平均株価収益率は、ファンダメンタル分析とテクニカル分析を融合させた複合分析の一例である。

複合分析は、利益や簿価などのファンダメンタル指標が動いたときに、売買を行うものと言える。



〈複合分析の可能性〉

複合分析の利用可能性として、過度な短期利益や短期損失で、ファンダメンタル分析の指標が適正な株価水準を見失う時に、長期利益予想線は、株価をサポートできる可能性がある。

長期利益予想線は、長期のファンダメンタルデータと予想利益を求める式に様々な変数を入れて全微分することで、導くことができると考えている。


市場全体で株価が予想利益の何倍であるかは、マクロ的な経済指標の影響を受ける。インフレ率や金利などが代表的である。

適正株価は、マクロ経済の指標にも補正されるであろうが、 好景気から不景気になると、マクロ経済の変動だけで、適正株価が大きく下がることになり、景気循環の変動が大きくなる要因になる。複合分析では、マクロ経済指標も長期的なデータを使用することが望ましいであろう。

テクニカル分析線と複合分析線を分析することで、過度な株価の乱高下が明確になり、新たな売買シグナルが発見される可能性がある。短期的で、パニック的な株価のボラティリティ、変動を抑えることに繋がる可能性がある。

市場がパニックになった時に、少しでも冷静に、取引が成立すれば、不景気や恐慌のショックが、低減されるのではないかと期待している。


〈アニマルスピリットとヒューマニティ〉

複合分析では適正株価水準は算出できるが、株を持ち続けることが正しいのかは、株を売買する人の考えに最終的に依存する。

例えば、会社が倒産するというニュースがあった場合に、紙切れ同然の株価で売却する人もいれば、倒産を免れた時に暴落した株価が2〜3倍でもなる方にかけて、株を持ち続ける人もいる。

アニマルスピリットと呼ばれかねない、一見不合理ともなり得る行動で、市場の価格は形成される。

アニマルスピリットと対極する概念として「ヒューマニティ(humanity)」が挙げられる。
ヒューマニティとは、一見不合理ともなり得る行動でも、その行動に、他人の利益を慮る動機がある行動である。

明日がどうなるかわからない時に、自分は損をしてもいいから、「私は誰かのためにこうしたい!」と危険な道を選び、周囲の人から「こういう人こそ報われるべき」と思われる人の行動を、アニマルスピリットと表現してよいのか、ヒューマニティと表現すべきではないのかと思う。


災害が起こって、株価が暴落した企業に、復興の願いをこめて、投資する人。
株価分析など必要としていない。


人間だって合理的ではない時がある。

それは、自己を犠牲にしても、誰かのために行動することで、全体的な経済的利益を最大にすることができると無意識に計算されているからかもしれない。

それが人間らしさ(ヒューマニティ)の根源ではないか。

誰も引き受けない仕事を誰かが引き受ける。

ヒューマニティのある引受け手が現れることが、心豊かな社会の形成に重要である。

その人が公正に評価される社会も、合理的な経済が形成される上で、重要である。




〈エピローグ〉

国破山河在(国破れて山河あり)

杜甫の有名な漢詩の一節である。日本人の無常観とも、相成れていて、印象的に残っている。



もしいま、「巨大な隕石が落ちて、目の前が、一面焼き野原になった」とすれば。

電気・水道などのライフラインは使えなくなる。

怪我をしても、治療する薬もなく、設備もない。

畑は焼き果てて、食料も底尽きるのも目に見える。

弱者は真っ先に、命絶える。

未来の不安と、暗闇が支配する世界を人々は生きていく。

その世界の中で、人々が最後まで、理性的に生きた証を残していくにはどうすればよいのか、 私は悩む。

明日世界が終わるならば、自分さえよければよいという行動にもなるだろう。

自分に不都合なことが、死に直結するのだから仕方ない。

意見の対立もあるが、けんかをする気力も失い、動けなくなった人々。

失いたくないものをたくさん失って、さらに失うものを自分で選択しなければならない。

極限の状況で、耐えて耐えて、その時にある人が言う。

「自分はこうありたい!」

人間の底深い部分に存在するものがにじみ出てきたような「最後の人間性(humanity)」。

純粋で、感情的であり、一瞬で世界が明るく照らされるような一言。




この一言で、人々、生命は、ひとつになり、動き出す。



そして世界は救われるのである。



(終わり)
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プロフィール

ハゲナルド

  • Author:ハゲナルド
  • 2000円札パラダイス管理人の30代男性(2019年4月現在)。
    全紙幣の1%未満の2000円札と出会うって幸運の予感!
    電子マネーと2000円札があれば事足りる社会はすぐそこに!?

    社会的提言を発信しています。社説カテゴリー
    ①限りある資源の有効活用!
    日本は世界有数の高い労働、資本コストだが、既存資産の回転(稼働)率を上昇させることで生産性は向上する。
    ②積極投資による日本経済活性化!
    国内の余剰資金は主に日本国債に流れているが、国は有効な投融資を行い海外の発展(世界総中流化)に貢献することで、国の経済成長につなげるべき。
    ③投機より投資による経済成長を!
    持続可能な経済発展を成し遂げるには価格上昇率(投機)より投資のリターンであるGDPの伸び率を高める(⊿GDP>⊿PRICE)必要がある。
    ④省資源社会実現による世界総中流化実現を!
    世界中流化で予想されるエネルギー不足には天然資源の買い占めではなく、人的資源を大量に使用する省資源社会の実現で対応する必要がある。(トーマス・フリードマン著「グリーン化革命」は必読あれ!)
    ⑤カジノ合法化、パチンコ課税賛成!
    ⑥自転車取得税の新設
    駐輪場確保、リサイクル促進、放置自転車撤去の財源に。
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